秘密諜報部員

秘密諜報部員 (創元推理文庫 M モ 2-1)

秘密諜報部員 (創元推理文庫 M モ 2-1)

サマセット・モームの実体験を元にした「フィクション」。
つまり、第一次大戦中、モームは英国情報部で働いていて、その体験をモデルに再構成したりして書いた「小説」なわけね。
これがもう、無類に面白い。
訳文はやや古めかしい言い回しが散見されるけど、引っかかるほどではない。
モームさん、後書きで、「実際のスパイ活動はもっと単調なものだ」みたいな趣旨のことを書いていて、それはそうなんだろうけど……それよりも、個々の人物やエピソードの情けないリアリティはどうしたモンだろう……。