カストラート

カストラート [DVD]
公開時に劇場で見損ねて、何年も経った今になってようやくレンタルで観る。見損ねた時点でノベライズを読んでいるので、話しの内容は知っているのだが、映画は映画でやはり違った魅力がある。ヘンデル先生などのキャストがいいし、なにより、音楽性が豊かな映画だった。特に前半は、あらかじめ筋書きが見えているせいもあって、話しの内容よりも「音」のほうに気を引かれた。
カストラートの声も、不自然ではなく「合成」できていたと思う。(あえて、「再現」という表現は使わない。なにせ、現実にカストラートの歌声を聞いた人がいないのだから、どれだけ忠実に再現できているのか、確認のしようがないからだ。)
↓「カストラート」という存在については、こちらのページに詳しい。
http://www.isis.ne.jp/mnn/senya/senya0631.html
まあ、ところごころ、ないかというと「白い馬」を出して去勢された弟のナニを象徴させたりするフロイトさん的なベタな演出とか、最後に兄が弟の替わりに女性を妊娠させたりする展開とか、けっこうアレな部分もあったりするんですが。
余談:
カストラート」とか「宦官」、ようするに男性のナニをとってしまうという、発想が許容される文化というのは、根底に牧畜の文化が根付いているところに限られるのではないか、と、ふと思う。日常に家畜の去勢をやっている地域と、そうでない地域とでは、差がでてくるのではないか、と。もちろん素人考えですが。
例えば、日本なんかかはかなり大陸の中華な文化圏から文化を輸入しまくっていたわけですが、「後宮」は「大奥」という形で受容していても、宦官は受け入れてない。